消化器疾患とその治療について

当院では食道・胃・大腸疾患や肝・胆・膵疾患を中心に、すべての消化器疾患の診療を行っています。安心で充実した医療を提供できるように、高度な専門治療からリハビリや在宅介護への移行まで、一貫して責任を持って診療を行います。
膵炎や胆石症などの検査や治療、総胆管結石や閉塞性黄疸に対する内視鏡的手術、肝臓疾患に対する検査・治療など、専門的な診療も幅広く行います。

肝臓疾患についてはこちらをご覧下さい。

 

内視鏡治療とは?

その名の通り、内視鏡(カメラ)を使って行う治療全般のことです。口や肛門からカメラを挿入して治療を行います。
正確で確実な治療には、まず十分な検査が必要です。超音波内視鏡、特殊光内視鏡、拡大内視鏡などを組み合わせて、治療前に詳細な精密検査を行います。

 

内視鏡治療の利点

  1. 開腹することなく治療を行うため全身への負担が少なく、高齢者や持病を持つ患者さまに適した治療です。
  2. 治療後の入院期間が短い傾向にあります。
  3. 外見上の傷が残りません。

治療の対象となる疾患

  1. 出血性消化管潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍)
  2. 早期胃がん、胃ポリープ
  3. 早期食道がん、食道ポリープ
  4. 早期大腸がん、大腸ポリープ
  5. 胃食道静脈瘤とその破裂出血
  6. 総胆管結石症
  7. 悪性腫瘍などによる閉塞性黄疸

などが、内視鏡治療の対象になります。

 

 

 

早期胃がん・食道がんに対する治療

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

近年、早期胃がんや早期食道がんに対して、その大きさや部位を問わず一括切除が可能な内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が開発されました。今までは外科手術(開腹手術)となっていた病変も内視鏡手術により完全に切除され、外科手術と遜色のない治療成績が期待されます。

 

1.内視鏡を胃の中に入れ、がんの周囲に切除範囲の目印をつけます

2.がんの下(粘膜下層)に、液体を注入して持ち上げます

3.マーキングの外側を切開します

4.専用ナイフで粘膜下層を剥離します

5.がんを切除して組織検査に提出します

 

 

大腸ポリープに対する治療

大腸ポリープは、放置しておくとがん化する可能性のある腺腫とそれ以外に区別されます。特に腺腫については、大腸内視鏡検査時に発見した場合には同時に切除することをお勧めしています。腺腫の一部に既にがん化が見られる場合も多く、その場合でも内視鏡切除が可能です。当院では可能な限り日帰り手術を行っています。

 

内視鏡的大腸ポリープ切除術(ポリペクトミー)、早期大腸がん粘膜切除術(EMR)

比較的小さなポリープは高周波による焼灼、もしくはスネア(小さな金属製の輪)による切除を行います。大きなポリープや茎の太いポリープについては、治療後に一泊入院して頂く場合もあります。

 

 

ポリープの下(粘膜下層)に液体を注入して持ち上げます。

スネアで通電して切除します

スネア

 

胆石や閉塞性黄疸などの治療

 

胆膵内視鏡について(内視鏡的逆行性膵胆管造影:ERCP)

当院では、胆のう、膵臓領域の内視鏡検査・治療(内視鏡的逆行性膵胆管造影:ERCP)も積極的に行っています。
その中で、総胆管結石と閉塞性黄疸の治療についてご紹介します。

 

「総胆管結石」の治療

肝臓でつくられる胆汁という消化液は、総胆管を通って十二指腸に流れます。その途中に胆のうという胆汁を一時的に貯蔵する袋がついています。この胆汁の流れのなかに結石ができることがあり、胆のうにできた結石を「胆のう結石=胆石」といい、総胆管内の結石を「総胆管結石」といいます。

「総胆管結石」は黄疸や急性胆管炎の原因となるため、早急に除去する必要がありますが、現在は専用の経口内視鏡を用いた結石除去術が主流となっています。

◆胆膵治療用経口内視鏡とバスケット鉗子
バスケット鉗子 画像引用:オリンパス株式会社ホームページ

 

専用の内視鏡を口から挿入し、胃を通って十二指腸まで進めます。
十二指腸にある胆管の出口からカテーテルを挿入し、胆管内を造影しレントゲン撮影します。

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バスケット鉗子というカテーテルで結石を把持し、胆管内から十二指腸内に結石を排出・除去します。

 

結石をバスケット鉗子で把持

結石をバスケット鉗子で把持

把持した結石を十二指腸内に排出

把持した結石を十二指腸内に排出

※「胆のう結石=胆石」が原因で炎症をおこした場合は、外科的に胆のうを切除しますが、消化器外科では腹腔鏡を用いたより低侵襲な手術を行っています。

 

閉塞性黄疸の治療

癌や炎症などで胆管が細くなった場合(胆管狭窄)、胆汁の流れが滞り、閉塞性黄疸(目や皮膚が黄色くなる)が起こります。この場合も同様の内視鏡検査によって病気の原因を詳しく調べます。また、狭窄部にステントを留置することにより黄疸の改善が期待できます。

◆胆管癌に対するステント留置例

胆管狭窄部

胆管狭窄部

狭窄部に金属ステントを留置

狭窄部に金属ステントを留置

 

胃食道静脈瘤に対する治療

胃食道静脈瘤は主に肝硬変が原因で発症します。門脈は肝臓に流れる非常に重要な血管ですが、肝硬変によりこの門脈内の圧力が高まると、血流は逃げ道を求めて(バイパスのように)血管を発達させます。このバイパスが静脈瘤となり、悪化すると破裂して出血する可能性があります。出血した場合の緊急止血や、出血が危惧される患者様に対する予防治療を行います。

日本門脈圧亢進症学会技術認定取得者(内視鏡的治療)が、責任を持って治療を行います。

内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)結紮療法(EVL)

静脈瘤の治療には、針で刺して硬化剤を注入し静脈瘤を固める治療(硬化療法・EIS)と、特殊なゴムリングで静脈瘤をしばる治療(結紮術・EVL)があります。いずれの治療も再発の可能性は残るため、治療後も定期的な内視鏡検査が必要です。

経口摂取が困難な患者さまに

脳卒中などの脳疾患や高度の認知症などで食事が不可能になると、充分な栄養摂取が困難になります。過去には鼻から胃にチューブを入れる事が多くありましたが、トラブルも多く患者さまの苦痛も少なくなかったため、近年は胃ろうによる栄養が広く行われています。当院では年間60例程度の患者さまに胃ろう造設術を行っています。

経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
内視鏡による胃内の観察と腹部の局所麻酔・小切開により、おなかに小さな穴を開けて胃と交通させる処置の総称です。

 

 

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