5月14日、第15回「大分県緩和ケア研究会県北支部会」が開催され、一般演題4題、特別講演2題の発表が行われました。
一般演題では、各々の立場で試行錯誤しつつ、がん患者の抱えるひとつひとつの苦痛を受け止め、望みに答え、不安を軽減するために真摯に寄り添おうとする医療スタッフの想いがひしひしと伝わってきました。
当院からは「「家に帰りたい」その思いをつなげる~退院調整看護師としてのかかわり~」として、地域医療連携室の小野看護師が発表しました。本人の強い思いと家族の覚悟、在宅サービスの連携支援により自宅での生活が実現。本人・家族の満足につながり、退院調整看護師が担う役割の重要性を実感する事例報告でした。
特別講演では、福岡がん総合クリニック・森﨑先生の「がん免疫療法の今」、栄光病院 下稲葉先生の「「いのち」が輝く時~ホスピス緩和ケア:あなたらしさに寄り添って」のテーマでお話いただきました。
森先生の「免疫チェックポイント抗体:従来の治療ができなくなった進行状況に対しても、数割の奏功率が明らかになったがん免疫療法」に光を感じ、下稲葉先生の「最期までその人らしく生きることを支えるケア」、「名医ではなく、『命医』『明医』でありたい」の想いに胸打たれました。
今回の研究会を通し、多くのことを学び、深い共感・感銘をうけました。私たちの役割・使命を理解し、様々な緩和ケアの形を知ることが、さらなる質の高いケアを実現する礎となると思います。当院でも大分県北部地域の緩和ケア拡充に少しでも貢献できるよう、今後も積極的に参加させていただきたいと思います。
地域医療連携室 安倍