担当医
大分大学 荒川 光江(あらかわ みつえ)
診療
肝臓内科 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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午 前 | - | - | - | - | - |
午 後 | - | - | 荒川 (大分大学) |
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○午前の診察受付時間 11:00まで
○午後診療は予約制となっております。
予約のない方は受付しておりませんのでご注意下さい。但し、急患はこの限りではありません。
※詳細は外来診療体制へ
患者様へメッセージ
B型肝炎やC型肝炎などのウィルス性肝炎や肝硬変の診療を中心に、主な合併症である肝臓癌や食道静脈瘤などの診療・治療も行っています。
ウィルス肝炎については、B型肝炎に対する抗ウィルス療法やC型肝炎に対するインターフェロン治療など、新しい治療法の発展が目ざましい分野です。これまで肝炎ウィルスに対する根治療法が不可能であった患者さまにおいても、新規の治療法が適応となる場合もあります。
常に根治療法の可能性を考えつつ患者さま一人ひとりの症状に則した治療を考えています。
肝臓癌については、日本肝臓学会が定めた「肝癌診療ガイドライン」に基づいて、診断と治療を行っています。画像診断として最新のエコー・CT・MRIを施行し、経カテーテル的塞栓術や経皮的治療(ラジオ波焼灼療法・エタノール注入療法)などの標準的内科治療を行います。大分大学医学部肝臓内科所属の肝臓専門医と連携して、総合的かつ集学的な治療を行うことが可能です。
その他、胃・食道静脈瘤に対する内視鏡的治療や経カテーテル的治療、脾機能亢進症に対して、総合的な診療を行います。
肝疾患についてどんな些細な事でも構いませんので、ぜひ外来を受診して下さい。
肝臓疾患について
肝臓内科は、B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎や肝硬変の診療を中心に、主な合併症である肝臓癌や食道静脈瘤などの診療・治療を行っています。
日本肝臓学会専門医・がん治療認定医が常勤し、診断と治療に当たっています。
「肝炎」の診断と治療について
ひとくちに「肝炎」といっても様々な種類があり、「ウイルス性肝炎」「アルコール性肝炎」「自己免疫性肝炎」「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」「薬物性肝炎」「急性肝炎」などが知られています。
特に慢性B型肝炎や慢性C型肝炎などのウイルス性肝炎は、日本人に罹患者が多く、知らないうちに肝硬変や肝臓癌を合併することがあるなど、非常に重要視される肝炎です。抗ウイルス薬やインターフェロン療法など、種々の治療の適応となります。
慢性B型肝炎
B型肝炎ウイルスの持続感染により、慢性の肝臓の炎症(=慢性肝炎)が引き起こされる状態です。出産時の母子感染が主な原因でしたが、1986年ごろから予防措置が取られるようになり、母子感染例は激減しました。しかし最近では特に若者の間で、欧米型の新しいB型肝炎の感染が問題視されています。
思春期から30歳ぐらいまでに、多くの患者さまでは血中からウイルスが消失し、肝炎は沈静化します。しかしごく一部の患者さまでは、長期にわたって肝臓に炎症を起こし、肝硬変に至る場合があり、適切な治療を行うことで病気の進展を止めたり、遅らせることができます。
慢性C型肝炎
C型肝炎ウイルスの持続感染により、慢性肝炎が引き起こされる状態です。多くの患者さまで長期にわたって肝臓に炎症を起こし、一部は肝硬変や肝臓癌に至ります。適切な治療を行うことで病気の進展を止めたり、遅らせることができます。
慢性C 型肝炎の治療は、特に最近は画期的な抗ウイルス薬が登場し、内服治療によるC型肝炎の完治が可能となりました。患者さま一人ひとりの状態に合わせて薬剤を組み合わせることで、C型肝炎の治癒を目指します。同時に肝臓癌の発生をなるべく早期に発見するため、腹部エコーやCTなどの定期的な画像検査を行います。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
食生活の欧米化や肥満人口の増加に伴い、日本人でも脂肪性肝疾患が増加しています。以前は「脂肪肝は病気ではない」といわれ、健康診断や人間ドックで脂肪肝を指摘されても、ほとんど重要視されていませんでした。しかし近年、脂肪肝患者の一部に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)といわれる病態があり、さらに稀に肝硬変や肝臓癌に進行することが分かってきました。
NASHの治療は、まずは厳密なダイエット治療・体重管理・脂肪過多の是正です。そもそも脂肪肝は体脂肪やBMI(肥満の指標)と密接に関係しており、脂肪過多の是正と体重管理は治療に不可欠と言えます。またNASHの殆どは、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの合併疾患を有しており、いわゆるメタボリックシンドロームの範疇と言えます。肝機能障害と脂肪肝を指摘された方は、「どうせ太りすぎだろう」などと放置せず、一度は肝臓専門外来を受診して頂きたいと思います。
肝臓癌
肝臓癌については、日本肝臓学会が定めた「肝癌診療ガイドライン」に基づいて、診断と治療を行っています。腹部エコー検査、造影CT・MRIにより診断し、病状に応じて、経カテーテル的塞栓術(TAE)や経皮的治療(ラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法)などの標準的内科治療を行います。高度進行がんに対しては、動注化学療法など先進的な治療を行います。
経カテーテル的塞栓術(TAE)は、レントゲン透視画像を見ながら行う、カテーテル治療です。癌に栄養を運ぶ血管をふさいで癌細胞を兵糧攻めにする、もっとも基本的な治療法と言えます。癌が門脈にまで浸潤し塞栓療法が困難な場合には、癌の部分に直接抗癌剤を送り込む動注療法等もあります。
経皮的治療にはラジオ波焼灼療法(RFA)や経皮的エタノール局注療法(PEIT)があります。近年はRFAが標準治療となり、当院でも積極的に施行しています。一般に癌が3cm以下かつ3個以下であれば、良好な治療効果が期待できます。
最後に
肝臓病は新しい治療法の発展が目ざましい分野です。これまで根治療法が不可能であった患者さまにおいて、新しい治療法が適応となる場合もあります。常に根治療法の可能性を考えつつ、患者さま一人ひとりの病状に則した診療を心がけています。
また、肝臓癌や食道静脈瘤などの種々の合併症に対しても、診断と治療を積極的に行い、総合的かつ集学的な治療が可能です。地域の皆様により良い医療を提供すること、当院の中核病院としての医療水準の向上に、少しでも貢献したいと思っています。ご病気については、どんな些細な事でも構いませんので、ぜひ外来を受診して下さい。