回復期リハビリテーション病棟では、月一回、振り返りのカンファレンスを実施しています。

入院中の患者さん、ご家族が抱えやすい悩みに、退院後の療養先の選択があります。
今回のカンファレンスでは、ご家族は在宅復帰を強く希望されるものの、患者さんの身体機能や介護負担等の問題で在宅への退院が困難なケースの支援を振り返る内容でした。

患者さんは病前、家族の精神的支柱であり「自宅に連れて帰りたい」というご家族の想いはとても強いものでした。
在宅での介護が難しい状況でありましたが、医師・看護師・リハビリ・ソーシャルワーカーが一つのチームとなり、ご家族と共に考えながら治療計画を何度も練り直し、加療にあたりました。

在宅介護の希望になんとか応えたいと支援を進める過程で、ご家族とも繰り返し面談を行いました。

患者さんの現状を伝え、ご家族さんがどこまで介護可能かを照らし合わせる中で、ご家族の中で在宅での生活が厳しいこと、施設という選択は決して間違ってはいないことを少しずつ受け入れて行かれました。

今回の支援では、施設入所という形となり、当初の願いを叶えることは出来ませんでしたが、退院後に訪問した際は、患者さんもご家族も落ち着いて過ごしておられ、毎日の楽しみも見いだされていました。

限られた期間の中で選択を迫られるご家族の負担を、少しでも軽く、そして患者さんにとって最も過ごしやすい場所を一緒に考えた結果、満足していただける結果を得ることが出来、退院後の生活につなぐことができました。

ご家族の希望と現実の差から生じる迷いに対して、背中をそっと支え、家族の決断をチームで後押ししながら支援していくことの大切さを、スタッフ皆で共有するカンファレンスとなりました。

今後も一つ一つのケースに柔軟に、真摯に向きあうチームづくりに、継続して取り組んでいきたいと思います。

回復期リハビリテーション病棟 新森・野尻