平成29年度 佐藤第一病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 16 16 16 42 89 236 430 616 204

 平成29年度に当院の一般病棟を退院された患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢は入院時の満年齢です。 

【解説】
当院の入院患者さんは、60歳以上の占める割合が全体の89.20%、70歳以上が75.03%、80歳以上が49.22%と、入院患者さんは比較的高齢の患者さんが多くを占めています。
 平成28年度と比べても、60歳以上が+1.13%、70歳以上が+0.77%、80歳以上が+0.13%と、年々入院患者さんの年齢が高くなってきています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

内科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 69 21.72 20.83 23.19 83.25  
160650xx99x0xx コンパートメント症候群 36 30.28 23.78 0 82.64  
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 30 14.23 12.34 3.33 79.8  
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 24 7.33 5.5 0 67  
0400801499×001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 21 13.62 13.51 9.52 84.95  

診断群分類:病名と治療内容等の組み合わせにより患者さんを分類するものです。
DPCコード:診断群分類を表すコードです。DPCコードの決定に当たっては、主治医が「1入院当たり医療資源を最も投入した傷病名」に基づき、1つだけ選択することになっています。

【解説】 
内科で最も多い疾患は誤嚥性肺炎、続いてコンパートメント症候群(廃用症候群)、腎臓または尿路の感染症、ウイルス性腸炎、肺炎(*市中肺炎かつ75歳以上)が上位5位となっています。
 誤嚥性肺炎とは、唾液や食物などが食道に流れず、肺などの気管内に入ってしまい引き起こされる肺炎です。脳梗塞後遺症患者、咽頭の筋肉や嚥下反射が衰えた高齢者に多い疾患です。
 廃用症候群とは、病気やケガの治療のため、長期間にわたって安静状態を継続することにより、身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響をもたらす症状のことをいいます。廃用症候群の進行は速く、特に高齢者ではその現象が顕著に現れます。急性期疾患治療後の廃用症候群に対して、地域包括ケア病床、回復期リハビリテーション病棟でのリハビリテーションも提供しています。

※市中肺炎:日常生活を送っている中で罹患した肺炎。


外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x70x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 9 3 4.88 0 75.11  
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 7 3.86 5.5 0 61.86  
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 5 22.4 15.61 0 76.8  
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 5 8.2 4.47 0 75.4  
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 5 12.2 6.64 0 70.6  

診断群分類:病名と治療内容等の組み合わせにより患者さんを分類するものです。
DPCコード:診断群分類を表すコードです。DPCコードの決定に当たっては、主治医が「1入院当たり医療資源を最も投入した傷病名」に基づき、1つだけ選択することになっています。

【解説】 
外科で最も多い疾患は結腸の悪性腫瘍(化学療法あり)、続いてウイルス性腸炎、結腸の悪性腫瘍(手術あり)、結腸の悪性腫瘍(化学療法あり)、胆嚢疾患(手術あり)が上位5位となっています。
 術後の化学療法で短期入院を繰り返すため、「化学療法あり」のDPCコードが上位となっています。


脳神経外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060×2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 36 13 16.51 8.33 74,36  
010200xx01x00x 水頭症 34 26.85 21.12 2.94 75.59  
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 34 14.97 9.68 11.76 78.03  
030400xx99xxxx 前庭機能障害 30 6.27 5.15 0 69.4  
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 28 10.21 7.34 3.57 68.61  

診断群分類:病名と治療内容等の組み合わせにより患者さんを分類するものです。
DPCコード:診断群分類を表すコードです。DPCコードの決定に当たっては、主治医が「1入院当たり医療資源を最も投入した傷病名」に基づき、1つだけ選択することになっています。

【解説】
脳神経外科で最も多い疾患は脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、*JCS10未満 脳血管リハビリテーション実施)、続いて水頭症(手術あり)、頭蓋・頭蓋内損傷(手術あり)、前庭機能障害(めまい症)、頭蓋・頭蓋内損傷(保存的治療)となっています。
 慢性硬膜下血腫とは、頭部の頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気です。「頭蓋骨と脳の間にある静脈が切れることによって徐々に発症」「頭部外傷から1~3ヶ月経って症状発現」「本人も忘れている様な軽微な頭部外傷で発症する」等の特徴があります。症状は頭痛、片麻痺による歩行障害、認知機能障害が代表的な症状です。CTやMRI検査で経過をみて治療方針を選択します。
 水頭症とは、頭蓋内、主に脳室に脳脊髄液が異常に貯留し、脳室が拡大し髄液圧が高い状態です。CTやMRIによる画像診断後、髄液排除試験にて症状の改善が認められればシャント手術を施行します。
 当院では、急性期治療と平行して集中的なリハビリテーションを実施しており、急性期治療が終了し更なる回復を目指して、回復期リハビリテーション病棟でのリハビリテーションも提供しています。

※JCS:ジャパン・コーマ・スケールの略で、覚醒の程度によって分類したもので、数値 (Ⅰ(1~3)、Ⅱ(10~30)、Ⅲ(100~300))が大きくなるほど意識障害が重いことを示しています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 7
大腸癌 14 1 7
乳癌 1 7
肺癌 1 7
肝癌 17 1 7

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

 症例数が10症例以下は、患者さんが特定され得るため表示していません。
 5大がんと呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者さんの数を、*初発および*再発に別けて*UICC病期分類別に集計しています。Stageが「0」のものは集計対象外です。

【解説】 
当院では内視鏡検査、エコー検査、マンモグラフィー検査等を積極的に行い、早期発見で治療に繋げ、病変に応じて、内視鏡的治療、外科手術、化学療法等の治療選択を行っています。

※「UICC病期分類」:国際対がん連合により定められた、「原発腫瘍の拡がり(T)」「所属リンパ節転移の有無と拡がり(N)」「遠隔転移の有無(M)」によって、がんをStageⅠ~StageⅣに分類するものです。
※「初発」:当院において、当該腫瘍の診断、診断と初回治療、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
※「再発」:当院・他院を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者さんを診療した場合や、治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 11 8.09 61
中等症 68 17.29 84.43
重症 10 18.3 88
超重症
不明 0 0 0

 症例数が10症例以下は、患者さんが特定され得るため表示していません。
 重症度分類は、日本呼吸器学会、*成人市中肺炎診療ガイドラインの「*A-DROP」スコアを用いて集計しています。ウイルスによる肺炎や、食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎は集計の対象外です。

【解説】 
当院では中等症の患者さんが最も多く、平均年齢84.43歳、平均在院日数17.29日です。

※市中肺炎:日常生活を送っている中で罹患した肺炎。
※A-DROP
Age(年齢) 男性70歳以上、女性75歳以上
Dehydration(脱水) BUN 21mg/dL以上または脱水あり
Respiration(呼吸) SpO2<90%(PaO2 60Torr 以下)
Orientation(意識障害) 意識障害あり
Pressure(収縮期血圧) 収縮期血圧90mmHg以下
※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。

軽症:0点の場合
中等症:1~2点の場合
重症:3点の場合
超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 194 37.6 79.72 11.76
その他 44 17.3 78.07 0.84

医療資源を最も投入した疾病の*ICD10が脳梗塞の症例を集計しています。

【解説】
当院では8割以上の患者さんが、発症から3日以内に来院され治療を開始しています。
脳梗塞は高齢化の進展とともに年々発症率は増加傾向にあり、特に心臓由来の脳梗塞である心原性脳塞栓症が増えてきています。加齢とともに心臓の機能が低下し、心疾患が増えてきていることが主因です。他にも糖尿病や高脂血症は脳卒中の原因となる動脈硬化が起きる病気であるため、適切な治療と生活習慣病の改善が重要です。
 脳梗塞の治療は、梗塞巣が広がり悪化しないように点滴治療を行います。また、脳梗塞によって失われた体の機能を回復するために、超早期(可能であれば発症当日)からのリハビリテーションを開始していきます。

※ICD10
 International Classijication of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類-10版)の略称。異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類です。最新の分類は、ICDの第10回目の改訂版として、1990年の第43回世界保健総会において採択されたものであり、ICD-10(1990年版)と呼ばれています。
 現在、我が国では、その後のWHOによるICD-10のままの改正の勧告であるICD-10(2003年版)に準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」を作成し、統計法に基づく統計調査に使用されるほか、医学的分類として医療機関における診療録の管理等に活用されています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 13 2.46 3.31 0 72.38  
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 12 0.92 7.67 0 79.42  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術を含む)<内視鏡下> 12 16.5 22.75 33.33 83.92  
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 10 3.2 6.1 10 78.8  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 9 5.67 12.78 11.11 83.33  

入院中に複数の手術を施行していても、主たる手術のみでカウントしています。

【解説】 
内科では、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術、肝細胞癌に対する血管塞栓術、経口摂取困難な患者さんに対して胃瘻造設術、胆管結石に対して内視鏡的乳頭切開術、内視鏡的胆道ステント留置術が上位5位となっています。
 胃瘻造設術の術前、術後日数が長い要因として、他疾患(脳卒中、誤嚥性肺炎等)で入院後、嚥下障害等により経口摂取が困難と判断され、胃瘻造設術を施行するためです。


外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 移植片または人工物を用いる外鼠径ヘルニアの修復術 12 1 5.67 0 66.17  
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 7 3.57 7.43 0 71.86  
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術)<亜全切除と所属リンパ節切除> 7 5.57 19.57 0 74.71  
K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術)<遠位切除> 4 18 24.75 0 76.25  
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(胸筋切除を併施しない)<1側> 3 2 17.67 0 74.67  

入院中に複数の手術を施行していても、主たる手術のみでカウントしています。

【解説】
外科では、鼡径ヘルニアに対する鼡径ヘルニア手術、胆のう炎や胆石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術、大腸がんに対する結腸切除術、胃がんに対する胃切除術、乳がんに対する乳腺悪性腫瘍手術が上位5位となっています。


脳神経外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1742 水頭症手術(シャント手術)<LPシャント> 36 12.69 19.25 13.89 76.17  
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 25 2.72 17.44 16 79.52  
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 16 9.75 40.63 0 78.5  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術を含む)<内視鏡下> 15 32.33 23.93 33.33 82  
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 9 0.89 81.22 33.33 68.22  

入院中に複数の手術を施行していても、主たる手術のみでカウントしています。

【解説】
脳神経外科では、正常圧水頭症に対するシャント手術、慢性硬膜下血腫に対する慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術、脊柱管狭窄症に対する椎弓切除術、経口摂取困難な患者さんに対して胃瘻造設術、脳動脈瘤(破裂、未破裂)に対する脳動脈瘤頚部クリッピングが上位5位となっています。
 平均的に術後の日数が長い要因として、平均年齢が高く、術後のリハビリ、退院調整が必要となる患者さんが多いためです。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.12
異なる 0 0
180010 敗血症 同一 3 0.18
異なる 1 0.06
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 1 0.06
180040 手術・処置等の合併症 同一 1 0.06
異なる 0 0

 播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率を集計し、入院の契機となった傷病名と「同一」か「異なる」かの内訳を示しています。

【解説】
当院は、入院の契機となった傷病名と入院中に医療資源を最も投入した傷病名が当院は「同一」が多い内訳となっています。
 手術や処置、検査等を行う際には、合併症を起こさないように細心の注意を払い実施しています。起こり得る合併症については、事前に説明した上で、同意をいただくよう努めています。

更新履歴

 

 

20181108

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